滞納住戸が競売にかかる 滞納管理費を回収するにはどうすればよいですか

Question

管理費等を約30万円滞納している住戸が、近く競売にかかると聞きました。滞納管理費を回収するためには、管理組合として、この競売にどのように対処すれば良いのでしょうか。

Answer

住宅ローンの支払などが滞って、住戸が競売にかけられることがあります。しかし滞納している住戸が競売にかけられても管理組合に通知はありません。競売にかけられたことを知る方法として
①裁判所から物件等の調査にきた人に聞く。
②登記簿に差押えの登記がないか調べる。
③破産管財人や抵当権設定会社などに照会する。
④裁判所の公開資料(物件明細書等)を調べる。
などの方法があります。
競売にかけられた物件は、裁判所で物件明細書の写しを閲覧できます。滞納管理費があるにもかかわらず物件明細書に滞納額の記載がない場合があります。このときは、裁判所競売係へ滞納管理費があることを記載した上申書を提出します。上申書は買受人(競落人)と無用のトラブルを避けるために出しておくものです。
次に、区分所有法に定められている先取特権に基づき「配当要求」を行います。これは競売による売得金から滞納管理費を支払ってもらう手続きです。実際には抵当権が優先しますので、配当を受けられないことがほとんどですが、時効中断の効果もありますので、配当要求をしておきます。
競売により区分所有権を取得した人は、区分所有法でいう特定承継人に当たり、前の区分所有者が滞納した管理費等の支払義務があります。管理組合は、特定承継人つまり新区分所有者に今までの滞納管理費等を請求し、回収を図ってください。