高齢居住者の孤立死が心配です

Question

築35年になる分譲マンションで管理組合の理事長をしています。居住者は高齢化し、1人暮らしや老老介護の世帯が増えています。孤立死の発生も心配です。管理組合として、どんな対策をすべきでしょうか。

Answer

マンションは年を経るごとに建物が劣化し、居住者は高齢化します。その中で資産価値をできる限り保全し、快適な居住環境を確保する責任は、管理組合にあります。具体的な高齢者対策としては、建物の手入れ(ハード面)と居住者向け(ソフト面)があります。
建物対策はバリアフリーなどが中心です。廊下などの段差解消、廊下や階段への手すり設置、床の滑り防止、明るい照明、エントランスの自動扉化・スロープ化、エレベーターの扉開閉時間の延長、車椅子対応の鏡の設置などです。
居住者対策は「高齢者・要支援者名簿」の作成が第一歩です。住民が集まり、話し合い、連帯感を養うことも重要です。東日本大震災では、日ごろの近隣所の口コミデータが非常に役に立ったそうです。
孤立死防止対策も重要です。単身高齢者を孤立させないため、安否確認、郵便箱チェック、ごみ出しや電球交換のサポート、茶話会への案内などを行います。
厚生労働省によれば、2012年に認知症の方は462万人、2025年には700万人と予想しています。今後より一層の認知症の方に対する理解が求められ、管理組合と行政の福祉部門との連携も大切です。