―どの方法がよいか―マンション給水管の改修


発錆が早い塩ビ鋼管
 給水管の法定耐用年数は十五年であるが、現実には、それより五年も十年も使用に耐えている場合が多い。しかし、大手ゼネコンの給水管の腐食調査によると白ガス管は年間0.20mm〜0.22mmの錆の進行度に対し、塩化ビニールライニング鋼管は1.25mm〜2.172mmと六倍〜十倍と進行度が大きい。それは、白ガス管は全体にほぼ平均して腐食が進行するのに対して、塩化ビニールライニング鋼管は直線部分は錆ないが、継手やメータ等の接続部が異種金属接触の電位 差により部分的に腐食を起こすためである。現に管の継手付近は、わずか数年で発錆が見られることが多い。最近はこの対策に管端防食継手として水に接する部分を無くした継手が開発され採用されるようになった。

手当ての方法
 給排水管は十年でもかなり錆びてきており、18年近くなると穴が小さくなるまでに錆びている。
  そうして、腐食が進んで赤水と共に水の出がわるくなったり、管に穴があいて漏水したりすると管を取り替えるしかない。これは、従来から採用されている更新工法であるが、工事が大変で、工事費も一戸当たり六十万から百万円と高い。そこで、最近この更新工法に替わる方法として、現在の給水管の寿命を延ばす工法が開発されて普及しつつある。工事も簡単で費用も三分の一以下である。
  しかし、実際の採用に際しては、その信頼性について、これまでに客観的に判断できる資料が少なく、決断に迷いがあるのではないかと思う。 そこで福管連賛助会員各社に協力を頂いて、アンケート調査を行い、実施件を集計した。 (下表)

設置期間
新築時
(設計折込)
10年未満
10年〜15年
16年〜20年
21年以上
小 計
5年未満
5
163
164
207
77
616
5年〜10年
13
63
85
32
184
11年〜15年
4
8
7
10
29
16年以上
3
2
4
1
10
小 計
5
183
237
303
120
839

 まだ臨床実験の段階といえるかもしれないが、約八百件の実績について本質的苦情(機能的)は一件もないことから信頼性はかなり高いと推察してよいのではなかろうか。
 
ただ、これはあくまでマクロ的推論であり、各方式については、色々な学者の意見もあるものもあるので、工事業者の説明を良く聞き保証を確約しておくべきであろう。

費用と保証
(設置費と維持費は一戸当りの費用。マンションの規模等により異なる。

  • 脱気工法:水中の酸素を抜いて防錆する方法 創設費(十一万円〜十三万円)・維持費(年間千五百円から三千円)・保証期間【五年】
  • パイプライニング工法:パイプ内側の錆を削った後にエポキシ樹脂を塗布する方法:創設費(二十六万円から三十五万円)・維持費(なし)・保証期間(バルブ等更新部分は一年、埋設管や外部腐食によるものを除き十年)
  • 磁気式防錆工法:磁気を使って水を磁気処理し腐食の進行を止める。創設費(七万円〜十万円)・維持費(なし)・保証(空室等配管内の水の移動が少ない場合を除き十年)
  • 電気防錆法:微弱な電流により金属に奪われた電子を与えることにより防錆、防食する工法 創設費十四万円〜十六万円・維持費(三百円から四百円)・保証(部材5年、赤水、腐食漏水等性能保証十年)
  • BSC水処理:セラミック化合物を水槽に吊るす方法等:創設費(五万円〜十万円)・維持費(なし)・保証(給水内の鉄分が水質基準内にあることを十年保証)
 これらの方法は本来の目的が防食、防錆で結果 として水も良くなる工法や、水をよく することが本来の目的であり、結果として防錆、防食となる方法があるので、複数の 工事業者から意見を聞き夫々のマンションの要望に合った工法を選ぶべきであろう。

(参考)最近水に関する商売が増加してきていて、どれを選んでよいか迷うこ とが多い。そこで、ホームページを開設して、本の紹介から水に関するデータの測定方法の是非まで論じている研究室があるので紹介しておく。
富永研究室
(御茶ノ水女子大学 大学院人間文化研究室)
http://atom11.phys.ocha.ac.jp//index.html



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