漏水事故 賠償責任は誰に

Question

管理組合の理事長をしています。昨年、漏水事故が起き、交渉がこじれて当事者間の裁判中です。他のマンションでは手際よく処理したと聞きました。どう対処したらよいですか。

Answer

漏水事故が発生したときには、迅速な原因調査と被害者へのあいさつが大切です。
マンションでは漏水事故が多いので①水漏れ原因調査費用②施設賠償責任③個人賠償責任を担保する保険には必ず入っておいてください。保険をかけていない場合、賠償金を支払う責任者は、次のようになります。
(1) 居住者の不注意によって漏水した場合はその居住者
(2) 専有部分の給排水管が原因で漏水が発生した場合は、その専有部分の管理責任者である区分所有者
(3) 漏水の発生箇所が共用部分の場合は管理組合。ただし、漏水の原因が居住者の不注意であれば居住者
(4) 漏水の発生箇所が専有部分か共用部分か不明の場合は管理組合
(5) 排水管が下の階の天井を通っている部分なら管理組合(最高裁判例)
(6) 漏水事故が区分所有者の責任でない場合で、瑕疵担保責任内やアフターサービス適用期間内である場合は分譲業者に補修責任
最近、各保険会社はマンションの漏水に関する保険料を値上げしたり、引き受けを制限したりするようになりました。マンション問題に詳しい保険代理店に相談してみてください。