給排水管の枝管まで組合負担で取り替えたいが・・・

■ Question

 給排水管全部の取替工事を実施する計画です。室内の配管まで管理組合の費用で実施したいと考えていますが、管理規約では枝管は専有部分となっています。そうしますと、工事費は、各組合員の負担となります。これを組合負担で実施するには、どのように進めたらよいでしょうか。(管理組合理事長)
■ Answer ■

 管理規約で、室内の配管は専有部分と定められている管理組合が大多数です。この場合、室内の配管の取替工事は、各組合員の負担となります。そうしますと、室内の取り替え工事をしない住戸が出てきて、配管から漏水して階下の住戸に迷惑をかけたり、賠償関係でトラブルになることもあります。

 それで、給排水管の更新工事をする場合、枝管まで管理組合負担で実施する管理組合もあります。この場合の対処として、次の二つの方法があります。

1 管理規約を改正して、枝管まですべて共用部分とする方法
 もちろん、規約の改正ですから、特別決議で4分の3以上の賛成が必要です。ただ、規約を替えるだけでは済まない問題があります。
1)すでに、組合員の負担で管を取り替えている組合員に対する補償をどうするか。
2)配管の取替工事は管理組合負担としても、工事は、内装材(壁・床・クロス等)等を取り外して行うわけですから、その復旧費用まで管理組合が負担することになります。
 その場合、内装材は住戸によって、材質が違いますから、それをすべて元の材質で復旧するとなりますと、予算が多くなり、各戸での不均衡も生じます。さらには、取り外した部分と工事しない部分との色合いが違ってきますので、工事しない部分も補修を要求される場合もあります。
3)取替え完了後に、枝管から漏水したり、管が破れたりした場合の故障修理や被害者への損害賠償も、共用部分として、すべて管理組合が行うことになります。

2 管理規約を改正しないで、規約の例外措置として、今回限り、管理組合負担で枝管の取替工事を行う方法。この場合も、管理規約の例外措置ですから、特別決議で4分の3以上の賛成が必要です。合わせて次のことを総会で決議しておく必要があります。

1)すでに、組合員の負担で管を取り替えている組合員に対する補償をどうするか。本人が納得していただけば、補償なしで結構ですが、組合によっては、直近3〜5年前までに取り替えた住戸には、年数に応じて、取替費用の一部を補償する例もあります。したがいまして、取替工事をする3年ほど前から、各住戸に工事実施を周知しておくことが必要です。
2)内装材の負担問題も同じように出てきますので、その整理もしておく必要があります。
例えば、内装は、工事した範囲の通常の復旧費用に限り管理組合が負担し、それ以上の工事を希望する住戸には、通常の復旧費用だけを支給し、後は各住戸負担とする。
3)取替え完了後に、枝管から漏水したり、管が破れたりした場合の故障修理や被害者への損害賠償は、専有部分ですから、すべて各組合員が行うことになります。

3 なお,排水管が階下の天井に取り付けられている住戸もありますが、この場合は、今回の取替工事に限らず、天井に取り付けられている管の部分の維持管理は、すべて共用部分として、管理組合の負担と責任で実施してください。(平成12年3月21日最高裁判決)


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