半年を切ったアナログ放送終了期限 延長なし

― 「期限を延長することは毛頭考えていない」と片山総務大臣 ―
 平成23年7月24日のアナログ放送終了期限まで、あと半年を切りましたが、総務省では、この期限は延長しない方向で進んでいます。片山総務大臣は7月21日の記者会見で「この期限を延長するというようなことは毛頭考えておりません。」と言明しました。
残されている大きな課題は、ビル陰や山間部の難視聴対策
 現在残されている大きな課題は、ビル陰や山間部の難視聴対策です。総務省は地上デジタル放送への完全移行の対策の一環として、平成23年1月21日に「最終行動計画」を発表しました。

 これによりますと、平成22年末現在で対応済みが、施設数で88.4%、世帯(推計)で89%とのことです。つまり、10%以上が未完了であり、本当に対策が完了するのか不安が残ります。総務省及びNHKでは、今後の取り組みとして、次のことを実施するとしています。
  1. 助成金による改修等支援(総務省、NHK)
  2. 総合コンサルティング、無料法律家相談の実施
  3. 受信障害解消地域の住民への周知等(エリア対策、常時告知スーパー、スポットCM、簡易アンテナ貸出、受信調査結果の公表等
  4. ビル陰解消地域のアンテナ設置キャンペーン
  5. 無料の受信状況調査の実施
  6. 暫定的な衛星対策等の活用
 ちなみに、マンションの共聴施設では、対応済みが、施設数で94.0%、世帯(推計)で96%ですから、これから見ても、難視聴対策は進んでいないことがはっきりします。
地デジ難視聴地域では 訴訟提起も
 7月25日の神奈川新聞によりますと、「鎌倉市は、市役所の屋上に中継局を設置するなどの対策は取られたものの、今月24日現在、なお市内全域で約3千世帯が難視聴の恐れがあるという。対策としてケーブルテレビ(CATV)などに加入した場合、毎月、新たな負担を強いられることになり、市民からは疑問や不満の声が上がっている。」そうして、「同市の難視聴地域の男性(58)は18日、総務省にデジタル放送移行差し止めとアナログ放送の延長などを求め、東京地裁に提訴した。¬移行を控えて、難視聴となる地域が混乱してしまう。移行しても(CATVなどの)毎月の負担がないようにしてほしい。できないならアナログ放送を延長すべき」などと話している。」とのことです。

 地デジ難視聴地域は、鎌倉以外でも、横浜市では市内に3600世帯(神奈川新聞)、福島県では山間地域で1万2422世帯(福島民友)などが発表されており、表面に出ていないものも多いと考えられます。
総務省では、高齢者を中心に地デジ対応が間に合わない事態を避けるため、民生委員ら20万人規模のボランティアが個別訪問による声掛け運動を展開するなども計画しています。

 総務省が6ヶ月を切った地デジ完全移行を目指して、懸命になっていることは分かりまずか、今後は、一般論ではなく、一軒一軒の移行できない理由を把握して、その解決策を総務省の施策として、全国的に展開していくことが大切ではないでしょうか。
ビル陰地域で地デジ完全移行を遮る三つの課題
 当会に寄せられる相談や意見をみますと、ビル陰対策施設において地デジへの完全移行を妨げている原因は、次の三つがあると考えられます。
  1. 費用負担において、全額管理組合が負担せよ、と主張して話がまとまらない。
  2. 既設の障害対策施設の撤去費用が相当高額になるために、管理組合が躊躇している。
  3. デジサポからビル陰が解消するといわれているので、管理組合は何もしないで良いと考えている。
 これらの問題に対して、民間対民間の問題として深入りを避けるデジサポもありますが、基本的には、国の施策として地デジ化を進めているのですから、総務省は、必要な補助金は制度化するなど、さらなる解決に向けた施策の展開を望みます。


Copyright(C)2011 PICT. All rights reserved.