「福管連モデル管理委託契約書」を発表

― 二つの老いを迎えるマンションに必要な管理委託契約書を目指す ―
1 福管連モデル管理委託契約書作成の経緯
 マンションの管理委託契約締結に伴う契約書については、かっては、昭和57年に住宅宅地審議会から答申された「中高層共同住宅標準管理委託契約書」が標準的な管理委託契約書の位置づけで、契約を締結する際の指針として活用されてきました。

 しかし、この標準管理委託契約書は、管理組合の立場から見ると、概要、次のとおり問題点がありましたので、「マンションライフ福岡」平成12年3月号に発表して、見直しを呼び掛けました。

  1. 通帳名義は、管理会社名(代行)でもよいとするのは、倒産時に問題が残る。

  2. 委託費は前払となっているが、清掃、点検など業務の完了を確認して支払うのが一般慣習である。

  3. 受託業務は、事務管理を除き管理会社独断で外注できるが、管理組合の承認をとるべきである。

  4. 委託費は、内訳を示さないでよいことになっているが、高額であり内訳を示すべきである。

  5. 滞納管理費の回収処理は、管理会社は督促までとし、なお回収できないときは責任を免れるとされているが、管理会社に任せていた仕事を中途で放棄されるようなもので、無責任ともとれる。

  6. 契約は、3ヶ月前に予告をしないと自動更新となり、途中解約もできないのは法の精神に反する。
    福管連では、以上の問題点を解消したモデル規約を作成しましたが、これを福管連だけのものにせず、全国に展開したいと考え、平成14年5月開催の全管連代表者会議に提案し、可決されました。
2 福管連モデル管理委託契約書の特色
 その後、マンション管理適正化法の施行(平成13年8月1日)により、標準管理委託契約書の見直しが行われ、表題も「マンション標準管理委託契約書」と改められ、平成15年4月9日に総合政策局長通達として発出されました。

 さらに、マンションの積立金等の毀損防止のため、マンション管理適正化法施行規則が改正され、平成22年5月1日から施行されるのに伴い、それとの整合をはかり、また、委託契約に関するトラブルの実態等を踏まえ、標準管理委託契約書が改定されました。

 福管連では、改訂されたマンション標準管理委託契約書が、当会の主張も参酌され、問題点が解消されてきたことは認めますが、なお、次のとおり問題点がありますので、今般福管連モデル管理委託契約書を作成し、発表した次第です。ぜひ、多くの管理組合及び管理会社で採用してください。

  1. 標準管理委託契約書には、居住者の高齢化及び建物の老朽化というマンションが直面している課題を乗り越え、解決しようとする条項が含まれていないが、これからはぜひ必要な条項です。

  2. 管理委託業務を中途半端で放棄するともとれる条項があります。例えば、滞納管理費の回収は、管理会社が督促を行っても回収できないときは、その責めを免れ、その後の請求は管理組合が行う、とされています。その理由は、弁護士法との関係を挙げておられますが、違反とならない範囲で、管理会社が最後まで管理組合に協力できる範囲は多いと考えます。

  3. 個人情報保護については、日常業務の中あるいは管理会社変更時点等でトラブルが発生していますが、今回の改正で「(個人情報は)その適正な取扱いの確保に努めなければならない」との文言が設けられました。しかし、努力義務であり、コメントで「国土交通省所管分野における個人情報保護に関するガイドライン」に準じて、個人情報の適正な確保に努めなければならないとする抽象的な記述があるだけで、現場が日常悩んでいる組合員名簿の取扱い、解約時の名簿・会計資料の引渡し、過剰な個人情報保護といった問題点の解消に正面から対処しているとはいえません。
 以上の他、いろいろな問題点の解消条項をモデル規約に盛り込んでいますので、ぜひご一読ください。


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