増える 大規模改修工事を巡る区分所有者間のトラブル

― 無用のトラブルを防止するための心得五か条 ―
 最近、マンションの大規模改修工事が増えていますが、不景気のため、新規工事から改修工事に参入する設計事務所や工事業者も多くなっています。そうして、業者間の競争も激しくなり、あの手、この手により管理組合役員への売り込みが行われています。

 業界事情に疎い管理組合役員は、うっかりしますと、賄賂、談合、リベート、接待、便宜供与といった建設業界のダーティな部分に巻き込まれるおそれがあります。また、実際には、クリーンにしていても、他の区分所有者から、賄賂をもらっている、と痛くもない腹を探られることがあります。そのような無用なトラブルに巻き込まれないために、大規模改修工事に当たっては、次の点にくれぐれも注意してください。
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第1条
選定対象の業者は、複数の中から選ぶこと。特命で1割高い事例も・・・
 一社と特命契約をした場合、契約価格が高いか安いか分かりません。ある管理組合の特命工事を当会の一級建築士がチェックしたところ、1割以上高い事例もありました。複数業者から相見積りを取りますと、競争原理が働き、安くなるのが一般的傾向です。(談合がなければ・・・)
第2条 業者との接触は必ず複数で行うこと。理事長はリベートを貰っているとの風評が立ちやすい。
 大規模改修工事に関連して業者と会う場合、一人で接触することは避け、必ず二人以上でマンション内で会ってください。事実ではなくても、理事長は業者からリベートを貰っているといったうわさがよく出ます。実際に2%のリベートを出すといった業者もあり、どうしたらよいか、相談を受けたこともありました。
 リベートの申し出があったときは、断るだけでなく、直ちに、理事会や改修委員会に報告してください。そうして、その業者は選定から外してください。
 業者からは、手土産であっても絶対受け取らないこと。
第3条 業者の募集は募集要網書により行い、基準に合わない業者は採用しないこと。
 予め募集要項書を作成し、募集を行うこと。 募集基準に合わない業者は、誰かが強く主張しても見積提出業者に入れないこと。決めたことはきちんと守ることが、とくに大規模改修工事では大切です。また、役員・修繕委員は、誤解を招かないため、業者の推薦は行わないこと。
第4条 応募した業者からの絞込みは予め定めた点数制・選考基準によること。
 見積提出を依頼する業者への絞込みは、予め、点数制による選考基準を定めておき、点数の高い業者から上位5〜6社とすること。この段階で、合格範囲内の特定業者の悪口をいって外そうとする人がいますが、これは、他の特定業者を入れようとの下心がある疑いがあります。
第5条 見積書は封印して、理事長に1部提出すること。開封は理事会・委員会席上で・・・
 見積書は封印して、理事長に提出して貰いましょう。 設計監理者に提出させる事例も見受けられますが、これでは設計監理者が談合の元締めをしているとの疑いが出ますので、通常は、設計監理者の方から断ります。また、一部提出といいながら、2部提出させ、一部は封印しないまま提出させ、特定の者が後から封印して、開封席上に持ってきた事例もありました。

 最後に、業者決定は、見積金額の最も低い業者を選びましょう。時たま見かけるのが、予め業者を決めておいて、他の業者の最低見積額より僅かに下回る金額で入れさせ発注する事例です。

 200万円高い業者を値引きさせた事例がありましたが、これは、不公平であり、安く叩かれた業者も手抜きで元を稼ぎ出そうとして、材料・品質を落とすおそれがあります。


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