200年住宅法が成立

― 長期優良住宅には600万円の住宅ローン減税も ―
 品質が高く、耐久性があり、数世代にわたって住み続けられる「200年住宅」の普及を促進する「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が、平成20年11月28日の参院本会議で全会一致により可決され、成立しました。

 良質な住宅を建築し、長期にわたり良好な状態で使用することは、住生活の向上となり、また、環境への負荷を低減することになるので、耐震性の高さや改修のしやすさなど一定の基準を満たした住宅を地方自治体が認定し、固定資産税などに優遇措置を講じるものです。一般の住宅に比べ2割程度高くなる建築費の負担を軽減する意味もあります。

「現金購入者にも減税措置を」と金子国交大臣
 金子一義国土交通大臣は平成20年11月28日、本法律の成立にあたって、「この法律は、住宅を量から質に転換する大事な柱であり、これを促進出来るように税制改正も進めていきたい。最高600万円の住宅ローン減税に加えて、ローンを借りず手金で長期優良住宅を取得していく人に対しても優遇減税をやりたい。経済効果は、住宅ローンと投資を両方含めるとGDPの1パーセント」と述べています。

 国土交通省は今後、長期優良住宅の認定基準に盛り込む条件、すなわち、構造の耐久性や耐震性、省エネ性、間取り変更・維持管理の容易性、定期的な点検・補修計画や履歴の整備といった基準案をまとめ、平成21年1月頃にパブリックコメントを実施し、法律、省令等は平成21年6月までに施行されます。

(注1)ストック重視の住宅政策への転換
 [=住生活基本法の制定(H18.6)]
<問題点> ・地球環境問題
・廃棄物問題の深刻化
・福祉負担の増大
・「つくっては壊す」 → フロー消費型社会から

・「いいものをつくって、きちんと手入れして長く大切に使う」
           → ストック型社会への転換

(注2)長期優良住宅とはどういうものをいうか。
  • 構造躯体の耐久性
    数世代にわたり構造躯体が使用できること。(中性化が遅い)
  • 住宅の耐震性
    大規模な地震の後、構造躯体の大きな補修をすることなく使用を継続できること。
  • 維持管理の容易性
    構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
  • 変化への対応性
    居住者の年齢、家族の増減などライフスタイルの変化などに応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること。
  • 住宅の質確保
    次世代に引き継ぐにふさわしい住宅の質(省エネ・バリアフリー)を備えていること。周辺の町並みと調和。

200年住宅法が持つ意義と課題
 この法律は、福田前首相が平成19年5月に自民党政務調査会の住宅土地調査会長当時にとりまとめた「200年住宅ビジョン」をベースとして法律化されたものです。

1 環境重視の21世紀にマッチ
 日本の住宅は築後平均30年で取り壊されており、英国の77年の半分以下です。早く言えば「スクラップ・アンド・ビルド」の状態でした。「200年住宅」はこれを転換し、フロー消費型社会からストック型社会への移行を理念としています。

 長期優良住宅が普及すれば、住宅の解体が少なくなり、建設廃材が減るため環境改善に大きく寄与します。この意味で、本法律は、環境重視の21世紀の課題にマッチしている点で評価できます。

2 既設住宅対策を強化すべき
 ストック型社会への移行との理念は評価しますが、具体的な既設住宅対策がほとんど見受けられない点に問題があります。マンションに例をとりますと、ストック(既設)は520万戸を超えました。それに対して、フロー(新築)は年間20万戸弱です。 新築のうち長期優良住宅は3割程度と見られていますので、年間新築数は6万戸程度です。

 この数値を見てもはっきりするように、520万戸の既設住宅の長寿命化、省エネ化、耐震強化が緊急の課題であり、法律の趣旨にも合致すると考えられます。既設マンションの団体である各マンション連合会は、この点を行政や立法府に対して強く働きかけを行うべきです。


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