| 紹介する判例は、総会決議無効を訴えるためには、現在の組合員であるばかりではなく、総会決議があった時点でも組合員でなければならないというものです。
福岡県遠賀郡にある田園管理組合は、土地建物所有者と土地所有者全員を組合員として団地内の共用・共有施設を管理するために設立された組合です。組合員の資格は、団地内各区画の土地及び建物の所有者になったときに取得し、所有者でなくなったときに喪失すると定められています。
甲はその団地に居住し、土地・建物の購入代金のうち2000万円を支払いましたが、登記簿上は長男名義になっていました。平成15年に甲への所有権移転登記をしました。
甲は、組合に対して平成11年度から平成14年度までの通常総会の各決議が組合規約に定めた議決方法に抵触するから無効であるとの確認を求める訴えを福岡地裁小倉支部に起こしました。
しかし、総会決議が行われた時点では、居住している建物及びその敷地の名義は甲ではありませんでした。地裁では、甲を組合員と認めましたが、決議を無効とする理由はないとして請求を棄却しました。甲はこれを不服として福岡高裁へ控訴しました。
福岡高裁では、所有者とは登記簿上の名義に従い、形式的・画一的に判断すべきである、甲は、総会決議時点では所有者ではないから、決議無効確認を求める法的地位(当事者適格)はないとして、門前払い(却下)しました。
そのように解しないと、後になって資格を取得して、いくらでも過去にさかのぼって無効を主張できることになり、組合は運営の安定性を欠き、不合理であるとするのです。(原審 福岡地方裁判所小倉支部 平成18年5月11日判決・福岡高等裁判所 平成18年6月27日 訴え却下.取消・確定)
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