| ― 姉歯偽装事件第三弾 ―
瑕疵担保責任の履行確保法案 3月6日に国会提出 |
瑕疵担保責任保険をつけるか保証金を供託して資力確保 |
| 姉歯元一級建築士等の耐震強度偽装事件を受けて、法制度改革の第三弾である新築住宅の瑕疵担保責任の履行確保法案が、3月6日に閣議決定され国会へ提出されました。 今回の耐震強度偽装事件では、偽装物件を販売した売り主ヒューザーが倒産したために、住宅品質確保法に定める10年間の瑕疵担保責任が果たされず、住宅購入者に大きな被害を与えました。 新法案では、こうした被害の再発防止を図るために保険や供託によって住宅供給者の資力確保を図りました。法案の正式名称は、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律案(履行確保法案)」といいます。 履行確保法案は、保険制度と供託制度の2本柱を設けています。新築住宅の売り主は、(1)住宅に瑕疵担保責任保険を付保するか、または、(2)住宅供給戸数に応じて保証金を供託しなければなりません。 保険料は掛け捨てで1戸あたり5万円〜10万円程度、供託金額は供給戸数が10戸の場合で3800万円、100戸の場合で1億円、1000戸の場合で1.8億円、10000戸の場合では4.4億円になる見通しです。 |
瑕疵担保責任の対象は新築住宅のみ |
| 法案の対象となる瑕疵担保責任は、新築住宅のみで、既存住宅は対象外です。 住宅品確法に基づいて新築住宅の売主が買主に対して負う10年の瑕疵担保責任が保証の対象です。また、保証は、住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限られます。瑕疵担保保険に関する紛争については、仲裁などの対応措置も設けています。 法律の施行は、公布から1年以内(保証金などについては2年半以内)となっています。 |
「姉歯問題の最後の法律改正」−冬柴国土交通大臣 記者会見談話 |
| 「姉歯から始まりましたとんでもない事件が起こりまして、先の通常国会では建築基準法の、臨時国会では建築士法の改正をしていただきました。この瑕疵担保責任の履行確保の法律は、その3弾目でして、いわばこの問題についての最後の法律の改正です。 瑕疵担保責任は、特別法によって10年となっていますが、その間に、売り主、あるいは建物の建設業者の経営がうまくいかなくなって倒産するというようなことが起こってしまいますと、被害を受けた買主は事実上救済を受けられなくなります。 今回の法律は、売り主、あるいは建築主がそのようなものを市場に出すときに、10年間きちんと履行できるように保険をかけるか、あるいは一定金額を供託するかして、そのようなことが万が一将来起こった場合には、そのところで速やかに補償、補填がされる、いわゆる二重ローンというような悲惨なことにならないようにしようという、消費者保護の法律であります。 これによって、今回の事件で問題点とされたところが解決できるのではないかというような期待をしているところであります。」 |
耐震強度偽装事件を幕引きにしてはならない! |
福管連 理事長 杉本 典夫 |
| 耐震強度偽装事件を受け、法制度改革の第三弾として、瑕疵担保責任の履行確保法案が国会へ提出されました。おそらく、今第166回国会において成立するでしょう。 刑事事件では、東京地裁において姉歯被告に懲役5年、罰金100万円の判決が言い渡されました。行政面では、構造計算書を偽装した姉歯一級建築士の免許取消し、イーホームズの建築確認検査機関の指定取消し等が行われました。 冬柴国土交通大臣は、記者会見で今回の改正が「この問題についての最後の法律の改正です。」とのべておられます。 しかし、今回の事件は、果たして姉歯個人に限られたものでしょうか。福岡ではサムシング問題がくすぶっていますし、京都市内のホテルの耐震性能不足も別の設計事務所の構造設計によるものです。 この根底には、今までの建築関係の制度及び実務のシステムのあり方に問題があると考えます。具体的には、構造計算書偽装を見逃した確認検査業務のあり方から、宅建業法の瑕疵担保期間を2年に短縮した規定、新規販売の竣工前の「青田売り」等多くの解決すべき問題があると考えます。 根本から改めない限り、消費者は安心してマンションを購入することができません。これで幕引きとするのではなく、今後も再発防止に向けて、基本にさかのぼり問題点の改善に取り組んでいただきたいと考えます。 |
|
|
| Copyright(C)2007 PICT. All rights reserved. |