九州第1号 小笹東門クラブ → コスモ南公園

― 「マンション建替え円滑化法」適用による建替え成功事例  ―
福岡市中央区の小笹団地にあった「小笹東門クラブ」(2棟32戸)は、平成18年2月「コスモ南公園」(1棟50戸)に生まれ変わりました。

 このマンションは、昭和44年から45年にかけて福岡県住宅供給公社が分譲したマンションですが、築37年目の平成18年2月に建替えが完了したのです。

 九州では始めて「マンション建替え円滑化法」を適用して建替えが行われました。非常にスムーズに行われ、建替えの成功事例といえますので紹介いたしましょう。

▲新しい「コスモ南公園」の全景

<参 考>マンション建替え円滑化法による建替えの進め方
ここで、少し横道に入りますが、平成14年12月8日から施行されている「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」(マンション建替え円滑化法)による建替えの進め方を説明します。
この法律は、区分所有法に基づく建替え決議がなされた後の建替えを円滑に進めるために作られた法律であり、その流れは次のとおりとなります。

  1. まず、区分所有法に基づき区分所有者及び議決権の5分の4以上の賛成で建替え決議を行います。

  2. 都道府県知事の認可により法人格を持つマンション建替組合を設立します。
    この組合には民間デベロッパーも参加できます。

  3. 建替組合は、建替えに参加しない区分所有者から区分所有権を買取ることができ、買取り請求された区分所有者は売却に応じなければなりません。

  4. 建替組合は、区分所有権、抵当権、賃借権などの権利を建替えたマンションに移すための計画(権利変換計画)を作成し都道府県知事の認可を得ます。

  5. 建替え工事を実施します。

  6. 新マンションへ入居します。
<建替えの流れ>

区分所有法による
建替え決議
マンション建替組合の
設立(法人)
不参加者の
所有権買取り
権利移行の計画認可
建替え工事の実施
新マンションへ入居

なんと、建替え推進決議後3年で建替え完了!

 小笹東門クラブ管理組合では、まず平成15年6月開催の臨時総会において、建替え推進決議が行われ、1年後の平成16年6月には一括建替え決議が承認されました。

 そうして、平成16年9月にマンション建替組合設立の認可を受けました。翌平成17年1月には建物の解体新築工事に着手、約1年後の平成18年2月に新マンションが竣工したのです。

 国土交通省の資料によりますと、マンションの建替えには全国平均で7年は掛かっているとのことですが、なんとこの管理組合では建替え推進決議を行って3年で建替えが完了したのです。

建替えが円滑に進んだ理由


▲コスモ南公園管理組合理事長関勝様
 なぜこのように建替えが円滑に進んだのか。建替えが円滑に進んだのは、なんといっても、管理組合理事長 関 勝様の熱意とリーダーシップを第一に挙げざるを得ません。建替え前の管理組合→建替組合→建替え後の管理組合と続けて理事長を務めておられます。

 そうして、まず、コーディネーターの選定に尽力されました。これは、プロの力を借りるという当然の理由のほかに、同じ組合員が他の組合員のプライバシーに入り込むことを避けるためです。この判断は正しいと考えます。

 そうして、デベロッパーを数社の中から見積もり合わせ方式で選ばれました。これらのプロを選んだ後は、工事業者選定などには一切口出しはされませんでした。無用の誤解を避けるためです。

 そうして、情報を公開し、組合員の意見を聞き建替えスケジュールを着実に進められたことが建替えに成功した大きな原因といえます。

 また、従前の建物が1〜2階を1戸で所有するメゾネットタイプであり、エレベーターがなく、広さが全戸均一で60m2と狭かったことも建替えに向けて意見がまとまった理由といえます。

 電気容量も30Aで給排水管も老朽化していました。逆に敷地が広く18戸増床できたことも有利に働きました。


プロを活用する必要性

 コーディネーターに(株)ラプロス、デベロッパーに(株)コスモイニシア(前リクルートコスモス社)を選んだことも、この二社が福岡での分譲マンション建替え実績があることを考えると、適切であったと考えます。

 タイムリーにプロを活用することは建替えに限らず必要です。他の会社でも東京や大阪での実績はあるのですが、福岡ではありません。当会で建替えの実績がある東京の数社に福岡へ進出する考えはないか問い合わせたことがありますが、いずれも当面は考えていないとの回答でした。

 新築の「コスモ南公園」は、日当たりのよい南面で眺めもよく、1戸当たり平均専有面積は79.44m2と約20m2も増えました。保留床は、4LDKの場合1戸3千万円程度で販売されましたが、すべて完売したとのことです。


Copyright(C)2006 PICT. All rights reserved.