耐震偽装対策で建築基準法等改正へ

― 国交省 中間報告が後退するおそれ ―
 耐震偽装問題は、姉歯、サムシングと固有名詞が続き世間を騒がせていますが、政府は、再発防止対策として建築基準法等改正案を今国会に提出する方針です。

偽装は懲役3年
 建築基準法の罰則の上限は、現在50万円ですが、偽装など重大な違反は懲役3年罰金3百万円と罰則を強化、構造計算書の第三者再チェック、確認申請書には、担当したすべての建築士の氏名を記載、名義貸しや違反行為の指示の禁止、地方自治体の検査権限の強化、中間検査の義務化、設計図書保存期間の延長、分譲業者等の瑕疵(かし)担保責任の充実等が改正案に含まれています。

中間報告から後退する政府案
国土交通省の中間報告が発表されて以来、利害関係が絡み各種団体から反対の声が上がっています。その中で中間報告から後退する可能性があるのは、次の2項目です。
  1. 売り主の保険加入義務化先送り

     マンションに欠陥があった場合、売り主は修補や建替えの義務が発生しますが、倒産すれば追求できなくなります。それを担保するのが保険制度です。

     しかし、耐震偽装のように売り主に故意や重過失がある場合は現在の制度では保険の適用はありません。これを適用するように改めるためには国による再保険制度を設けるなどの制度設計や保険業界との調整が必要であるとして先送りが確実となっています。

  2. 地方自治体の権限強化に反対論

     民間の確認検査機関が偽装を見逃したこともあり、確認検査機関に地方自治体が立入り検査できることや報告内容を充実すること、違反があれば地方自治体から国に報告し、業務停止命令を出すことなどの改正が行われる予定です。これに対して、地方自治体側から反対の声が出ています。理由は地方自治体の業務が増えるからとのことです。

     しかし、最高裁判所は、平成17年6月24日の決定において「民間確認検査機関による建築確認であっても、建築主事を置く地方自治体にも責任がある」としているので、国交省は、地方自治体にも責任があるとの立場を貫く模様です。責任を負いたくないとする地方自治体の反対論は管理組合の立場から見ても疑問です。

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