エレベーター閉じ込め、地震時管制運転装置つきに多発

 さる7月29日、国土交通省は千葉県北西部を震源とする地震におけるエレベーター内の閉じ込め状況を発表しました。

 それによりますと、閉じ込めは78件、うち地震時管制運転装置(注)つきのエレベーターの閉じ込めが94%の73件ありました。閉じ込め事故は、もよりの階まで運転している間にエレベーターが大きく揺れ、壁などにぶつかり、別の緊急停止装置が働いたためと見られています。

(注)地震時管制運転装置とは、地震の動きを感知して、もより階に着床しドアを開放する装置です。

 エレベーターに取り付けられたセンサーが一定の揺れを検知すると、自動的にもより階に停止し扉を開放します。

 もより階で扉を開いた後、しばらくすると扉は自動的に閉まります。そうして、「初期微動センサーつき」の場合、軽微な揺れだったときは通常の運転に自動的に復帰します。

 強い揺れ(震度4以上程度)で運転を停止した場合は、技術者の点検を受けるまで復帰できません。これで地震時には使用開始が遅くなる問題が発生しています。

装置設置の義務化を検討していた矢先に・・・

 国土交通省は、本年6月地震防災会議の提言を受け、地震時管制運転装置の義務化を検討していた矢先でした。

 今回、閉じ込めが発生したエレベーターのほとんどにこの装置が装備されていた事実が判明しました。また、閉じ込めにはならなかったもののエレベーターが止まり、専門技術者が来て安全性を確認して復旧するまでの時間が24時間以上かかったものもかなりありました。

 国土交通省はこれらの事実を重く受け止め、地震時の安全性は確保しながらも、過剰な停止や閉じ込めが発生しないよう、装置を作動させる地震の揺れの大きさを再検討することとしました。

早期復旧と安全性の両立が課題

 地震時管制運転装置つきのエレベーターは、震度4以上の揺れを感知すると、もよりの階に停止して扉を開き、一定時間後に締まり、後は技術者が来てロックを解除して復旧させることになります。国土交通省は、これを緩和できないか、日本エレベーター協会と協議を始めた模様です。

 震度5弱以下なら、点検なしで一定時間がたつと自動復旧する装置の導入を検討するものです。ただし、復旧を急ぐあまり破損箇所を見逃したまま運転開始すれば、二次災害につながるおそれもありますので、安全性を維持しながら閉じ込めや運転停止をいかに防止するか大きな課題が控えています。


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