「6階以上の建築工事差止め」決定  福岡地裁

― 他マンションとの複合日影を考慮 ―
 福岡地裁では、さる3月18日、建築確認申請に基づく許可を受けて着工しているマンションに対して、「高さ6階以上の構築物を建築してはならない」との決定を出しました。
 建築予定マンションに隣接する2階建て住宅2棟の居住者が、「マンションの建設により日照権を侵害される」として、建築工事差止め等の仮処分を申立てていたものです。業者側は、すでに建築基準法の許可を受け、日照も新築マンションだけでは4時間を確保でき、違法ではないと主張しました。

 しかし、福岡地裁では、すでに建っている他の2棟のマンションと合わせると、この住宅は、ほとんど1日日照時間が無くなり、これは我慢の限度(受忍限度)を超えるものとして、高さ6階以上の構築物を建築してはならないと決定をしたものです。
        ◇       ◇
 建築基準法は、日影については、建設するマンションの敷地単位で見て、他の住戸にどの程度影響を与えるかを判断すればよいとしており、不充分な規定です。本来、従前居住者の立場を考えると周辺の建物すべてを総合して、当該住宅が何時間日影になるかを判断すべきものです。これを複合日影といいますが、判例では必ずしも複合日影がきちんと認められていません。その意味では、今回の決定は、居住者の立場を尊重した意義深い決定と考えられます。

 なお、先に建てられたマンションも日影被害を与えていますので、この点を考慮して、5階までの建築は認められ、6階以上の建築工事差止めとなったものです。


Copyright(C)2005 PICT. All rights reserved.