個人情報保護法はほとんどの管理組合に適用なし

― 管理会社との委託契約書は改める必要 ―
 個人情報保護法が、4月1日から全面施行されました。これは、本人が考えもしない個人情報の不正な流用や個人情報を扱う事業者がずさんなデータ管理をしないように、一定数以上の個人情報を取り扱う事業者を対象に、個人情報保護の義務を課している法律です。

 個人情報とは、氏名、生年月日のようにその情報を見ればあの人と分かってしまうようなものすべての情報ですから、かなり広い範囲になります。

 しかし、個人情報を取り扱う量や利用方法から見て個人の権利や利益を害するおそれが少ない者は、「個人情報取扱事業者」から除かれています。具体的には政令第2条で「個人情報で識別される個人の数が過去6か月以内のいずれの日においても5000人を超えない者」は、個人情報取扱事業者に該当しないと定められています。したがって、管理組合で1日5000件の個人情報を取り扱うことはまずありませんから、ほとんどの管理組合には、この法律の適用はありません。
        ◇            ◇
 しかし、管理業者に管理業務を委託している場合、管理業者が、同法の個人情報取扱事業者として法規制の対象となることがあります。
 したがって、管理業者が適法に個人情報を取り扱うようにするために委託契約書を変更する必要があります。具体的には、次の項目を定めます。

管理委託契約書の改正内容案
  1. 管理業者は、委託業務実施に当たり、個人情報保護法を遵守すること。

  2. 管理業者は、受託した個人情報を委託業務実施の目的に限って使用し、他の目的に供しないこと。

  3. 管理業者は、受託した個人情報の管理について、個人データの漏えい等防止、責任者の選任、使用者の制限、従業員の訓練等安全管理に万全を期すこと。また、安全管理措置を報告すること。

  4. 管理業者は、委託業務を再委託する場合は、管理組合に対して事前に書面により承認を得ること。また、再委託業者に、個人情報が適正に取り扱われるよう必要かつ適切な監督を行うこと。

  5. 管理組合は、必要に応じ管理業者の事前の了解を得て、個人情報の保護に関する監査を行うこと。

  6. 個人情報に関する事件や事故が発生したときは、直ちに管理組合に報告するとともに、防止対策を講ずること。

  7. 委託業務終了後は、個人データはすみやかに管理組合に返還すること。

管理業者の不適切な個人情報取扱い事例
 管理業者が個人情報保護法施行を契機として、次のような不適切な取扱いをする動きがありますから、注意してください。
  1. 管理業者が管理組合の承諾を受けることなく組合員名簿を利用して「個人情報の取扱い方法」の説明文書を送付していること。

  2. 管理業者が、組合員名簿を利用して自社広報誌、商品、サービス周知等を行うこと。またはアンケート等を行うこと。

  3. 管理業者が個人情報を第三者へ提供することまたは他業者と共同利用することがあることを管理組合の承諾を得ずに組合員へ周知すること。

  4. 管理組合理事長からの要請があるにもかかわらず、「守秘義務」「個人情報保護法」を理由として委託業務データの提出を拒否すること。


Copyright(C)2005 PICT. All rights reserved.