管理組合役員に守秘義務はありますか?

■Question
 組合員名簿を作るために用紙を配ったところ、ある組合員から「役員は1年交替で責任がないから協力できない。管理会社になら提出してよい」といわれショックを受けました。役員には、本当に守秘義務はないのでしょうか。
■ Answer ■
 役員には「善管注意義務」がある

 「管理会社になら提出できるが役員には出せない」といった組合員の方は、一体管理組合を何と思っていらっしゃるのでしょうか。しかし、その組合員ばかりをせめる訳にはいきません。役員自体も、1年交替輪番制で、管理会社の提案をすべて丸ノミ、任期が終わるのを待つばかりといった状態ではありませんか。

 結論からいいますと、役員に「守秘義務」はあります。区分所有法25条に「管理者の権利義務は委任に関する規定に従う」と定められ、委任については民法644条で「受任者は、善良なる管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う」と定められているからです。この「善管注意義務」の中には、職務上知り得た秘密を、正当な理由なく外部に漏らしてはならないという義務が含まれています。この義務に違反して、区分所有者に損害や苦痛を与えた場合には損害賠償を請求されることもあります。また、管理者(理事長)以外の一般の役員も、1年交替であろうと順番制であろうと、総会等で選任され、就任を承諾した以上、民法上の受任者として「善管注意義務」を負います。

 コミュニケーションの充実を!

 しかし、法律以前の問題として、組合員の発言の真意を考える必要があります。役員が信頼されていないのではないでしょうか。「マンションの管理運営は、自分達の仕事である。それを契約により管理会社に委せているに過ぎない。管理の主体は自分達である」との根本的理解がないのではありませんか。役員は2年任期とし、主体性をもって業務に取組み、組合員とのコミュニケーションを図る工夫が大切です。「自分たちのマンションは自分たちで守る」ことを理解し合い、実践していく方向での努力をお勧めします。


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