建替え等費など10億8千万円を支払え
― 篠栗町の管理組合 設計・施工ミスで作州商事など3社を提訴 ―
 福岡県篠栗町にあるマンション「エイルヴィラツインコートシティ門松駅前イーストサイド」(11階建て50戸)の管理組合は、6月18日、販売会社作州商事(本社福岡市博多区)、建設会社香椎建設(本社福岡市東区)および設計会社ニューアート建築設計事務所(本社福岡市早良区)の3社を相手に「マンションの設計や施工にミスがあり、補修では安全性が確保されない」として建替え費、取壊し費、代替住居費、慰謝料など合計約10億8千万円を求める訴訟を福岡地裁に提起しました。
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 訴状によりますと、提訴した経緯及び理由は次のとおりです。


入居直後から漏水、ひび割れ等発生

 このマンションは、平成11年5月に作州商事が販売したマンションです。入居直後の平成11年6月から漏水が発生、すぐに補修工事が行われましたが、平成12年4月頃から「外壁にひび割れが発生している」「ホルムアルデヒド臭がする」などの苦情が出始め、検査したところ、ひび割れや厚生労働省の指針を超えたホルムアルデヒドの検出、床の傾斜などが発見されました。そこで作州商事は、管理組合に対して、平成14年12月までに50戸すべての床スラブ、梁のひび割れを補修し、仕上げをやり直す工事を約束しました。

突然の補修工事中止

  ところが、作州商事は8戸の補修工事を終えた時点で「建設会社香椎建設の別件裁判の結果を待つ」との理由で一方的に補修工事を中止したとのことです。
管理組合は、別途1級建築士に構造計算の点検と再計算を依頼して調査したところ、設計段階の荷重計算に誤りがあり、必要な鉄筋量が不足するなど法令や基準に則るべき注意義務を怠っていることが判明。柱・梁など建物の安全性を支えている主要構造部に広範な瑕疵があり、調査と改修工事費用を加算すると、建替え・建築費用よりもはるかに超えるので、建替える以外に方法はないとして、その費用等10億8千万円を求めて提訴したものです。
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管理組合・区分所有者の勇気に頭が下がる

  一般に区分所有者は、瑕疵や不具合が発見されてもマンションの資産価値が下がるとして裁判にまでは持ち込まないことが多いようです。それを見越して業者側も表面の見える部分のみ補修してお茶を濁すという傾向が無きにしも非ずです。本マンションでは、瑕疵の程度もあったかと思いますが、無責任な販売は許さないとして訴訟に踏み切った勇気には頭が下がる思いです。

改正区分所有法を活用した管理者訴訟

 平成14年の区分所有法の改正で、共用部分に関する損害賠償の請求は、管理者(理事長)が原告または被告となることができるとされました。今回の訴訟は、この改正を活用した点でも他の管理組合の手本として注目されます。


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